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作詞、作曲:どるたん

カフェのテーブルに広げた 

つげ義春のエッセイ集が

なんだか とても不似合いなような

気がして 読まずに ページを閉じた

​

広場を行き交う人は笑顔で 

この空間を満喫しているようだ

ぼくはひとり広場に面した席に座り 

この街の亡霊と会話をしている

 

昔見た古い映画の中で 

キャサリン・ヘップバーンがここに座っていたね

あれは1950年代の映画だけど

 

何も変わらぬ景色の中で 

ぼくはひとりこの席に座り

流れ行く時と人々の顔を眺めている

 

時の流れの外に佇むような 

ここは カフェ・フローリアン


 

カフェの前ではピアニストが
『エリーゼのために』を演奏している
ぼくは映画の中の世界に
迷い込んだような気になり眩暈がした

その曲は、古い映画の中で
謎めいた美少年が奏でていた曲
あれはこの街を舞台にした映画だから

何も変わらぬ景色の中を
映画と同じように今も
あの少年が彷徨い歩く幻を見た


時の流れを超えて漂うような
ここはカフェ・フローリアン

​

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